土方歳三(ひじかたとしぞう)は幕末の新選組副長として知られ、剣術と戦術に長けた人物でした。彼が使用していたとされる武器には以下のようなものがあります。
1.日本刀(打刀)
土方歳三が使用していたとされる刀で最も有名なのは:
■和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)
刀匠:会津の刀鍛冶・十一代目兼定(新々刀期の名工)
特徴:よく斬れる実戦向きの刀とされ、刃渡り約70cm前後。
銘文:「和泉守兼定」と切られており、美しい反りと刃文(刃の波模様)で知られています。
この刀は土方の象徴ともいえる存在で、現在は函館の「函館市北方民族資料館」に模造刀が展示されているほか、東京都日野市の「土方歳三資料館」にもゆかりの品が展示されています。
2.洋式銃(ピストル)
新選組が後年、戊辰戦争期に入ってからは、剣だけでなく洋式銃火器も使用されていたとされます。
土方自身が銃を使ったかどうかは明確な記録が残っていませんが、戊辰戦争・函館戦争の際には軍服姿で洋式軍装を身につけていたことから、軍隊指揮官として銃火器の使用にも通じていたと考えられます。
3.指揮刀・軍刀(戊辰戦争期)
指揮官としての象徴的武器
函館戦争(1868年)では、旧幕府軍の副官として軍服をまとい、洋式軍刀(サーベルタイプ)や指揮刀を持っていたとされます。写真にも軍服姿で軍刀を佩刀した姿が残っています。
補足:土方歳三の軍装について
土方歳三は晩年、フランス式の軍服を着用し、洋風の軍人として戦場に立ちました。これは幕末の近代化を意識した戦い方を反映しています。